F. 大学生・成人以上


福澤諭吉と啓蒙思想 5 ~日本再生のシナリオ~【プレミアム会員限定】

『福翁百話』 6章 福澤諭吉 晩年の境地 福澤諭吉は1898年に脳溢血にかかり1901年に逝去したが、最晩年に次々と著作を発表した。1898年には『福翁自伝』を脱稿し、1897年には『福翁百話』が単行本として発行された。 これに先立ち、1896年に義塾出身の古老たちの懐旧会での演説の内容を一部手直しして「慶應義塾の目的」とした。当初の演説には「あたかも遺言のごとくこれを諸君に嘱託するものなり」で終わっている。ここに「慶應義塾の目的」の全文を掲載する。 「慶應義塾は単に一所の学塾として自ら甘んずるを得ず。その目的はわが日本国中に於ける気品の泉源、智徳の模範 […]


成長の樹 6 ~人類進化の方向性(より良く生きるために)~

より良き保育・子育て・教育を見出すためには、その教育法がどの様な人間を造りだすかを見極めることが必要です。同時に、人類の進化の方向性を探り、教育法と人類の進化が合致しているか確認しなくてはなりません。人類進化の方向性と教育法が合致していれば、その教育法は自然の摂理に沿ったものと言えましょう。 人類の進化は「前頭連合野」の発達によるもので、他の類人と比べ「前頭連合野」の大きさが5倍に発達しました。 進化論的な見方で人類の進化を見てきましょう。 人類はよりよく生きるために、二つの方向性の進化をしました。 ① 計画能力、問題解決能力の向上 ② 社会の一員として […]


福澤諭吉と啓蒙思想 4 ~日本再生のシナリオ~ 【プレミアム会員限定】

5章 現代における『福翁自伝』の意義 慶應幼稚舎の志願者の保護者ならば、『福翁自伝』を読んで「獣身」について述べれば済むのかもしれない。しかし、加藤寛先生の様な大学者でも、多くの福澤諭吉の書物を読み、福沢諭吉の意図の理解に努め、それが業績の原動力となっていた。福澤諭吉翁の志はまだ道半ばなのである。明治維新はまだ終わらず。また時代はときに逆行もする。社中ならば、『福翁自伝』、『学問のすゝめ』は「座右の書」として扱うべきものである。その中でも自伝には様々な価値がある。・・・ → 続きは会員限定でお読みいただけます 福澤諭吉と啓蒙思想 ~日本再生のシナリオ~ […]


福澤諭吉と啓蒙思想 3 ~日本再生のシナリオ~ (会員限定)

4章 経済学者加藤寛の闘いと福澤諭吉 経済学者加藤寛は、社中の中でも、最も福澤諭吉の世界観を理解し、自己の業績にもそれを反映し、日本改造に貢献した人物である。 彼は『福澤諭吉の精神~日本人自立の思想~』(加藤寛著 1997年)の中でこう語る。「私は学問を修め、さらに社会に関わり、それを試す中で先生の精神を学ぼうとした。この本で書いたことも、文献的に導き出した福澤精神でなく、私自身が感じ体験した福澤精神なのである」。・・・ (次章からはプレミアム会員限定となります) → 続きは会員限定でお読みいただけます 福澤諭吉と啓蒙思想 ~日本再生のシナリオ~ コラム […]


福澤諭吉と啓蒙思想 2 ~日本再生のシナリオ~ (会員限定)

3章 狂った福澤諭吉のシナリオ 近代的な国家を築こうと願った福澤に対し、中央集権的な国家を築こうとした長州藩の伊藤博文達は、北海道官有物払い下げ問題で窮地に陥った薩摩と組み、大隈・福澤一派の追放を行った。これが日本の運命を変えた明治十四年の政変である。 明治十年代の明治政府において、国会開設運動が盛んになる中で、政府内でイギリス型の議院内閣制(大隈、福澤が主張)を採用するか君主大権を残すビスマルク憲法(伊藤博文、井上馨)を採用するかの論争があった。岩倉は議員内閣制を取らず君主大権を温存する伊藤案を取り、伊藤に憲法作成を委ねることに決めた。・・・ → 続き […]


福澤諭吉と啓蒙思想 1 ~日本再生のシナリオ~ (会員限定)

1章 福澤諭吉と啓蒙思想 時代が大きく変わるときに福澤の教えを学ぼうとする。もちろん、まず明治維新の時だが、次に戦後である。ある意味、戦後にようやく福澤の目指した国家像が実現した。 その後75年を経て、今日本の国家は停滞していて、「病んでいる」としか思えない。しかも30年以上続く慢性病である。その様なときに、今一度、福澤諭吉の教えを見つめなおしてみる必要がある。 → 続きは会員限定でお読みいただけます 福澤諭吉と啓蒙思想 ~日本再生のシナリオ~ コラム一覧


3-3 大人のレジリエンスを高める方法 ~育児と発達心理~

3章 レジリエンス (特別コラム) 大人のレジリエンスを高める方法 ~育児と発達心理~ 子供のレジリエンスを高めるために一番大事なのは子供に精神的にもっとも大きい影響を及ぼしている養育者のレジリエンスを高めることです。養育者の言動を見て子供は自然とそれを真似るようになるからです。それでは、大人のレジリエンスを高める方法を3つ簡単に紹介したいと思います。 1.規則正しい運動でストレスを溜め込まないようにしましょう。 週に3回以上、一回30分以上の運動が効果的だと言われています。一度に過度な運動はむしろ害となります。ハーバード大学の精神科の医師であるジョンラ […]


3-2 レジリエンスを高める育児法 ~育児と発達心理~

3章 レジリエンス 2節 レジリエンスを高める育児法  ~育児と発達心理~ 「自分の失敗を笑い、そしてそこより学べ。自分の苦労を笑い草にしつつ、それから勇気をかきあつめよ。困難を笑い飛ばしながら、それに打ち勝て。」これは人気小説「赤毛のアン」に出て来る言葉です。赤毛のアンはレジリエンスの代表的な人物と言われています。彼女は孤児として不幸な子供時代を過ごして、恵まれていない状況にあったのにも関わらず、賢くて愛情あふれるきちんとした女性に育ちます。彼女は緑屋根の家に住んでいる心が温かい老夫婦の養子となることをきっかけに愛情あふれる環境、いい友達関係、近所との […]


3-1 レジリエンスとは? ~育児と発達心理~

3章 レジリエンス 1節 レジリエンスとは? ~育児と発達心理~ 「一人の子どもを育てるには、一つの村が必要である。(It takes a village to raise a child.)」これはアフリカのナイジェリアで言い伝われていることわざです。子供一人を育てるのに一つの村全体の大人達の知恵と協力が必要であるという意味です。日本では子供一人を育てるのに必要な教育費(幼稚園から大学まで)は780万円から3000万円と言われています。つまり、子供一人を育てるには社会全体の知恵や協力だけではなく、経済的にも相当な負担がかかるということです。大事な我が子 […]


セルフエスティームとレジリエンスへの影響 ~ 育児と発達心理学講座 ~

2章 愛着 3節 セルフエスティームとレジリエンスへの影響 育児と発達心理学講座 一覧 「成功とは失敗がない状態ではなく、困難や試練を克服した状態の事を言う」。筆者が最近読んでいる本の書き出しに書いてある言葉です。この本によると、偉人達は大変な困難や試練を乗り越えて、偉人になったのではなく、むしろ困難や試練にぶつかったため、偉人になったのだと記されています。つまり、困難や試練を経験した時、挫折し諦めるのではなく、自分の能力を信じ続け、努力を惜しまなかったとからさらに成長することができた結果、偉人と呼ばれるようになったわけです。もしかしたら、どんな状況でも […]


人格形成とセルフエスティーム(4高)

ハーバード大学のジョセップ教授は「セルフエスティームは、成功するのに必要な要素の一つである。」と主張しました。環境にあまり影響されず、自分を信じ、ありのままの自分を受け入れることができるセルフエスティームは、万が一失敗したとしてもその挫折感は軽いはずです。つまり、失敗にめげない事はトコトン挑戦し続けるエネルギー源となり、数多い挑戦は成功する確率をも上げるわけです。要するに、セルフエスティームがその人の人生に大きくかかわっていると言えるでしょう。 それでは、高いセルフエスティームはどのような人格形成に影響を及ぼすのでしょうか? セルフエスティームが人格形成 […]


セルフエスティームと自尊心は同じもの?

前回自分を信じることがセルフエスティームと言いましたが、決して自尊心とは違います。多くの本にセルフエスティームを自尊心と訳してありますが、筆者はセルフエスティームと自尊心は違うと思うのです。 友達にいやなことを言われ「自尊心が傷ついた(私は結構できる方だと思っていたけど、ひどいことを言われ傷ついた)」と表現するのですが、この時の自尊心はけしてセルフエスティームではないのです。セルフエスティームとは人に何かを言われたぐらいで簡単に傷つくものではないのです。つまり、よく使われている自尊心とは他人が自分をどう評価するかが重要であります。 他人と自分を比較し、も […]


強い心の源:セルフエスティーム(self-esteem)

KFCの創立者であるカーネル氏は66歳にチキンの営業を始め、1009回も断られます。アメリカの歴代大統領であるリンカーンは、事業に失敗を2回、落選は4回、47歳で副大統領にも失敗し、51歳でやっと大統領になりました。エジソンも、ライト兄弟も失敗と挫折なしに、発見もなかったという事実は言うまでもありません。伝記に残る偉人はもちろんのこと、成功に導いた人の中で、すべてがスムーズにいった人は誰一人いないのです。皆沢山の失敗をし、また数多くの挑戦をし、最後に成功を掴んだのです。つまり、もしかしたら何かを発見する、成功するには高い能力よりもむしろ沢山失敗し、挫折を […]


グローバルリーダーの育成(8) ~ 『失敗の本質』の本質~

再び注目される『失敗の本質』 小池百合子東京都知事は『失敗の本質~日本軍の組織論的研究~』(中央文庫)を愛読書として繰り返し読んでいるという。私の知り合いでも読んでいる人が多い。特に、最近シャープや東芝など、日本の大手老舗企業の様子がおかしくなったので、同書は再び注目されているようだ。   失敗は繰り返される 『失敗の本質』は「日本軍の組織の組織的研究」ではあるが、失敗は戦前の日本軍にとどまらず、日本全体の問題として当てはまり、戦前戦後の国家戦略から企業の運営に至るまで繰り返されている。何故なら、『失敗の本質』の本質は、日本型のリーダー育成の教 […]


グローバルリーダーの育成(7) ~ 必要条件 ~

暁星小学校の小学校英語教育は高い評点を付けられるべきですが、必ずしもグローバルリーダー育成を目指したわけではありません。医学部や難関大学に毎年多くの合格者を出している同校は、2020年の大学入試制度の改革に向けて、「企業努力」をしているのです。私立はどこも生き残りのため「企業努力」をしています。税金が公立校にばかり使われるのも、教育の多様性確保の見地から、歪んだ状態といえます。 グローバルリーダーになるための必要条件 グローバルリーダーになるための必要条件はいくつかあります。今後話を進めるために整理しておきます。 英語が自由に使いこなせること。 自分で考 […]