2020年度私立小学校入試概況


☆昨年度はどんな問題が出題されたか

・特筆すべき課題

< 回転 >

回転は、小学校受験において最も難易度の高い課題のひとつだ。回転の問題は、数と向きを増やすだけで、最難関課題がいくらでも作れる。よくある問題が、「四角の中の手本の形が、四角形を左に3回、右に2回、左に1回回したらどうなりますか?」というようなもの。ここに△、☆、などの、向きによって形が異なるものが入ると、難易度は飛躍的に膨張する。とくに空間認識が不得意な女子にとって苦手課題の最たるもので、つまり、難関女子校で多くのひねった問題、回転の向きや数を無暗に増やした課題が、これまでに数多く出題されたてきた。最難関の雙葉、白百合に入るには、どうしても回転の理解が必要だった。それが何を意味するのか、学校が何を求めているのかは謎ではある。しかし、「学校はなぜ、回転ができる子どもが欲しいのか?」、それは「他の子どもとの差別化」を意味しているとしか思えない。それだけのために回転が出題される時代が長く続いていた。

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About 安藤徳彰

(あんどう のりあき) 慶應義塾大学卒業後、ペンシルバニア大学大学院(ウォートンスクール)にてMBA取得。 ICE幼児教室、ICE私立専門塾などを創業。2014年6月に教育部門の運営を栄光グループにバトンタッチし、株式会社栄光の教育顧問に就任。 2015年10月に株式会社栄光顧問退任