愛着形成の発達


愛着形成の発達

赤ん坊はママにべったりですよね。ママになった喜びはつかのま、一日一日が力いっぱいで一つ一つのハードルを乗り越える陸上競技のよう9に大変な毎日が待っています。まだ産後の体調も回復できていないのに一晩中寝て起きてを繰り返し、授乳をしていたらいつの間にか夜が明けていたという毎日を送ることになるでしょう。授乳だけが大変ではありません。何しろ赤ん坊はママにべったりしていなくてはならない存在なので、ママがお手洗いに行く時も、お風呂に入る時も手加減してはくれません。抱っこしたまま、時には母乳をあげながらお手洗いに行かなければならないという過酷な現状も受け入れなければなりません。お風呂に入る時もドアーを全開にして歩行器に座っている我が子に声をかけながら、慌しく適当に洗い、時には我が子が泣き出すと髪に泡をつけたまま一糸まとわず飛んで行ったということもすでに多くのママたちは経験済みだと思われます。

本当に赤ちゃんってママにべったりしたがります。特に母乳をあげるとさらにママから離れようとしない気がします。筆者も息子がまだ小さい時、ママになることは女を捨てることだと思っていました。時間が来ると母乳がいっぱいになり、一日の大部分母乳をあげている自分はまるで乳牛なのではないかと思っていました。でも、今年で4歳なった息子は今はほっぺたにチューをしたり、抱きしめようとする筆者を面倒くさがり始めました。そうです。赤ん坊はママにべったりですが、これがいつまでも続く訳ではないのです。徐々に自我が芽生えてきて、子供は親から離れていくものです。大変だけどママにべったりしたがるのはわずか1年から2、3年の間だけなのです。

それでは子供の愛着がどのように発達していくのかについてお話したいと思います。

表1.愛着の発達段階
前愛期(0~3ヶ月) l  母親と他の人の区別がはっきりついていない。

l  どんな音や人に対しても興味を示す。

愛着形成(3~6ヶ月) l  母親と他の人の区別がつき始める。

l  他の人より母親を見てよく頻繁に微笑む。

l  人見知りが現れ始める。

明確な愛着(6ヶ月~2,3歳頃) l  愛着がはっきり形成。

l  母親が自分から離れると嫌がる分離不安が特徴。

 

目標修正的協調関係

(2,3歳以降)

 

l  母親が自分と分離した存在であることを認識し、母親の目的や行動、感情をある程度推測できるようになる。

l  母がそばにいなくても安心して過ごせる。

 

生まれたばかりの赤ん坊はまだ母親に愛着を持ちません。母親でなくても懐く時期です。徐々にいつもそばにいてくれる母親(主な養育者)に愛着が形成し始める時期が3ヶ月から6ヶ月の間です。よくこの時期の赤ん坊は母親でない大人を見ると泣いたりしますよね。人見知りが出現するのも母親との愛着形成が始まったという証拠なのです。母親と愛着が明確に形成されますと母親との分離が難しくなります。安心感を与えてくれる存在(安全基地)である母親が見えなくなると不安を感じる訳なのです。徐々に子供は安心して母親との分離ができるようになります。

つまり、いつまでも母親にべったりしていた子供がわずか2、3年で安心して分離ができるようになるということです。思春期にでもなるとなかなか口を聞いてくれなくなります。ましてや結婚した後は配偶者にべったりしてしまうものと覚悟しなければなりません。べったりする我が子が大変でもまだ小さい時だけなのです。母親(主な養育者)と安定した愛着を形成することができて、その後健全な親離れをして欲しいですよね。いつかは離れていってしまう我が子を今のうち、もっと沢山抱っこし、こっちからべったりしてみてはいかがでしょうか?


吉田瑞稀

About 吉田瑞稀

聖心女子大学(卒) 人間関係学専攻 UCL University of London大学院(卒) MSc in Psychoanalytic Developmental Psychology (修士:精神分析的な発達心理学専攻) 淑明女子大学院 児童心理治療専攻(博士課程終了) プレイセラピスト