第三話 福澤諭吉の育ち、教育観、『福翁自伝』 諭吉型人間はどの様にして育つのか
『福翁自伝』の中から幼児から 15 歳くらいまでの、子育て教育に関する部分を抜粋します。自然に子どもらしく育っていることが分かります。
a から g のカッコ内が、『福翁自伝』からの抜粋です。ご存知の通り、例年、慶応幼稚舎、慶応義塾横浜初等部受験においては『福翁自伝』を読んで、願書に所感を述べる必要があります。 以下、抜粋
a.「私が少年の時から家にいて、よくしゃべりもし、飛びまわり」
b.「またそのしつけ方は温和と活?とを旨として、たいていのところまでは子供の自由に任せる。(中略)いかなる場合にも手を下して打ったことは一度もない。(中略)一家の中ではまるで朋友の様で今でも小さい孫などは、阿母さんはどうかするとこわいけれども、お祖父さんが一番こわくないといっている(中略)あまり厳重にせぬほうが利益かと思われる。」
c.「私は、はなはだきらいであったからやすんでばかりいて何もしない。手習いもしなければ本も読まない。十四か十五になってみると(略)自分で本当に読む気になって(略)会読をすれば、必ずその先生に勝つ。先生は文字を読むつもりでその意味は受取の悪い書生だから、これを相手に会読の勝敗ならわけない。」・・・