モンテッソーリと福澤諭吉とルソーの教育法の共通点(2)


第二話  ルソー(Jean-Jacques Rousseau)の紹介 子どもの発見

18 世紀のフランスの啓蒙主義思想家で『社会契約論』を著した。
啓蒙主義思想とは、「人間は正しく考える力をもっている」とする考え方で、絶対王政や王権神授説を排除し、フランス革命を導いていく思想的な根拠となりました。
ルソーは教育論として『エミール』を著しました。
教育論として画期的だったのは:
① 教育の目標として「人間の自然性」という概念を持ち込んだ。(自然に帰れ!)
② 「子どもの発見」 当時子どもは単に小さな大人とみなされていました。
*子どもは小さな大人ではない。
*子どもには子ども時代という固有の世界がある。
*子どもには、子ども固有の成長の論理がある。
*成長の論理に即して手助けをするのが教育である。
以下『エミール抜粋、要約』
「知識を与える前に、その道具である諸器官を完成させよ。感覚器官の訓練によって理性を準備する教育を消極教育と呼ぶ。」
「考える力=理性を育てる前に、感覚器官をしっかり育てなさい。3 歳までは感覚器官を鍛え、特に身体を鍛えることを大切にしなさい。15 歳くらいになったら判断能力を訓練しなさい。」
「判断能力を訓練する際に大切なことは実物教育である。実際に物を見ることによって知識を得る方法である。感覚器官から情報を得て、人間の精神の中に知識を獲得させる。
それが実物教育になっていく。」

理解のためのキーワード
○消極教育・・・ 人為的なものを排除する→「自然に帰れ」
○実物教育・・・ 感覚器官を鍛え、実物教育を通じて正しく物事を理解する。
○第二の誕生・・・第一の誕生が生物的な誕生とすれば、第二の誕生は社会的存在 としての誕生である

ルソーの考えは、その後のモンテッソーリ教育法に繋がります。基本的にはルソーもモンテッソーリも、福澤諭吉も教育観の根幹は同じです。

モンテッソーリは、「教育とは人間の生命が本質的に持つ発達要求に基づき、環境を吸収しながら自ら伸びていこうとする潜在能力を引き出すこと」と主張します。これは、ルソーの主張する「人為的なものを排除する消極主義→自然に帰れ」という考えの上に立っています。福澤諭吉も『福翁自伝』の中で、「元来私の教育主義は自然の原則に重きをおいて」といっています。

モンテッソーリは科学者の視点でより体系的な教育法を造りだし、感覚教育を重要なものととらえ、視覚、触覚、聴覚、味覚、嗅覚を研ぎ澄ますための具体的で膨大な教具体系も開発しました。これはルソーの「実物教育」を発展させたものです。

2020年7月19日
GLE(Global Leader Education)
主宰者 安藤 徳彰



安藤徳彰

About 安藤徳彰

(あんどう のりあき) 慶應義塾大学卒業後、ペンシルバニア大学大学院(ウォートンスクール)にてMBA取得。 ICE幼児教室、ICE私立専門塾などを創業。2014年6月に教育部門の運営を栄光グループにバトンタッチし、株式会社栄光の教育顧問に就任。 2015年10月に株式会社栄光顧問退任